戸当たりとは?
壁とドアを守る小さな「ガードマン」
【超解説】とても簡単に言うと何か?
ドアを勢いよく開けた時に壁にぶつからないようにする金具です。床や壁にポコッと付いている
ゴム付きのストッパーのことです。
1. 基本概要
そもそも何か
戸当たり(とあたり)は、開き戸が全開した際にドアのハンドルや
扉本体が壁・家具に衝突するのを防止する金具です。「ドアストッパー」「ドアキャッチャー」
とも呼ばれます。ドアを開けた位置で仮固定する機能を持つタイプもあり、
換気や荷物の搬入時に便利です。
なぜ必要なのか
戸当たりがないと、風や勢いでドアが壁に激突してハンドルの跡が
壁に穴を開けたり、壁紙を傷つけます。また、ドアのハンドル自体も
衝撃で曲がったり緩んだりします。新築時に必ず設置される小さいながら重要な建具金物です。
2. 構造や原理
床付け戸当たり
床にビスで固定する円筒形の金具で、先端にゴムキャップが付いています。
ドアが開くと扉の下端がゴムに当たって止まります。最もシンプルで安価なタイプですが、
つまずく危険があるのが欠点です。
マグネットキャッチャー
床に埋め込む磁石と、ドアの下端に取り付ける金属プレートで構成されます。
ドアを開けると磁力でドアを固定し、少し力を入れると外れます。床面がフラットで美観に優れ、
つまずきの心配もありません。現在最も人気のあるタイプです。
壁付け戸当たり
巾木や壁面にビス止めするL字型のゴム付き金具です。ドアのハンドルが壁に当たる前に
扉の面でゴムに当たって止まります。床に障害物を置きたくない場合に選ばれますが、壁の強度が
必要です。
3. 素材・形状・規格
素材はステンレス鋼、真鍮、亜鉛合金、樹脂製などがあります。
仕上げはサテンニッケル、クローム、アンティーク色などが一般的。
ドアハンドルや丁番の仕上げと揃えると統一感が出ます。ゴム部分はウレタンゴムや
シリコンゴムが使われ、衝撃を吸収します。
4. 主に使用されている場所
住宅・マンション・オフィスのすべての開き戸に設置されます。リビング、寝室、トイレ、
玄関ホールなど、ドアがある場所には必ず戸当たりが必要です。引き戸には不要で、開き戸専用の
金物です。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
① 壁の保護:ハンドルによる壁の穴あきや傷を防ぎます。
② ドアの保護:衝撃による
ハンドルやヒンジの損傷を防ぎます。
③ 仮固定:マグネット式は換気時のドア固定に便利です。
④ 安価:数百円〜数千円で設置できます。
デメリット(短所・弱点)
① つまずきリスク:床付けタイプは床に突起があるため足をぶつけやすい。
② 磁力の劣化:マグネット式は経年で磁力が弱まることがあります。
③ 床の傷:取り付けビスで
フローリングに穴が開きます。
6. コスト・価格の目安
おおよその相場
- 床付けゴムストッパー:
300円〜1,000円程度 - マグネットキャッチャー(埋込型):
1,500円〜4,000円程度 - 壁付けL字型:
500円〜2,000円程度 - 施工費:
1ヵ所500円〜1,500円程度
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期
ゴム部分の劣化が主な交換理由で10〜15年が目安です。ゴムが硬化して衝撃を吸収しなく
なったら交換してください。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
戸当たりを取り付けずにドアを
使い続けると、レバーハンドルが
壁に食い込んで石膏ボードに穴が開き、
壁紙の補修だけでは済まなくなります。
ボード自体の張り替えが必要になり
大きな修繕費が発生します。
8. 関連機器・材料の紹介
- 内装ドア(室内建具):戸当たりを設置するドア本体の解説。
▶ 詳細記事はこちら - 建具枠(ケーシング):ドアを支える枠の解説。
▶ 詳細記事はこちら - 丁番(蝶番):ドアの回転軸となる金具。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
マグネット式と床ストッパー式、どちらがおすすめ?
マグネット式がおすすめです。床面がフラットでつまずく心配がなく、
ドアを開けた位置で仮固定もできます。ただしやや高価で施工の手間もかかります。
賃貸でも取り付けられる?
ビス止めは原状回復の問題があるため粘着テープ式の戸当たりが便利です。
ただし粘着力が弱いと外れて壁を傷つける恐れがあるため、3M等の強力両面テープ付き製品を
選んでください。
ゴムが取れてしまった場合は?
ゴムキャップだけの交換パーツが販売されています。ホームセンターで同じ径のものを
購入して差し替えてください。サイズが合わない場合は本体ごと交換したほうが確実です。
マグネットの磁力が弱くなったら?
磁石の交換が可能な製品もありますが、多くの場合は本体ごとの交換に
なります。10年以上使用して磁力が弱まったら買い替えてください。
フローリングに穴を開けたくないのですが
マグネットキャッチャーのフローリング埋込タイプなら金具が床面と同じ高さになり
目立ちません。ただし施工は床に穴を掘るため新築時の施工が理想的です。
床付け戸当たりの取付位置は?
ドアを全開にした状態でドアの先端(戸先)が当たる位置に設置します。
ドアの下端にゴムが当たるよう高さも確認してください。
マグネット式の施工手順は?
①ドアを全開にして受け金具の位置を決める→②床に穴を掘る→
③受け金具をビス止めまたは接着→④ドア側に金属プレートを取り付け→
⑤磁力で固定されるか確認します。
下地がない壁に壁付け式は取付可能?
石膏ボードだけの壁には十分な強度が得られません。壁の裏に間柱がある位置に
取り付けるか、ボードアンカーを使用してください。
フローリングの種類で注意すべきことは?
無垢フローリングは木の収縮でビスが緩むことがあります。下穴をしっかり開けてから
ビスを打ってください。床暖房対応フローリングの場合は
床暖房パネルの位置を確認してください。
戸当たりの取付を忘れた場合は?
引き渡し後でも取付は可能ですが、フローリングにビス穴を開けるため
住まい手への説明が必要です。竣工前の仕上げ検査で必ず全箇所の確認をしてください。
全戸分の数量をどう拾う?
開き戸の数=戸当たりの数です。引き戸と折れ戸には不要です。建具表で開き戸の箇所数を
確認して発注してください。予備を数個含めると安心です。
仕上げ色の統一は必要?
ドアハンドルや丁番の仕上げに合わせると統一感が出ます。サテンニッケルが最も一般的で、
どんなインテリアにも合います。
検査項目は?
①全開き戸に戸当たりが設置済みか、②ドアが戸当たりに確実に当たるか、
③ビスの固定が確実か、④ゴムが正常に装着されているかを確認してください。
施工タイミングは?
フローリング施工後、クリーニング前に取り付けるのが一般的です。建具の吊り込みと同時に
施工するのが効率的です。
マンションでの標準仕様は?
分譲マンションではマグネットキャッチャーが標準になってきています。
賃貸マンションではコスト重視で床付けゴムストッパーが多いです。
入居者から「ゴムが取れた」と連絡があった場合は?
ゴムキャップだけの交換で対応できます。放置するとドアのハンドルが
直接壁に当たって穴が開くため、早めに対応してください。
交換部品は数百円で入手可能です。
壁にハンドルの跡がついた場合は?
浅い傷はパテ埋め+部分補修で対応できます。石膏ボードに穴が開いた場合は
ボードの部分張替えが必要です。戸当たりの再設置も忘れずに。
定期点検で確認すべきことは?
①ゴムの硬化・脱落、②ビスの緩み、③マグネットの磁力、④床面からの浮きの4項目を
確認してください。年1回の確認で十分です。
全戸一括交換のコスト目安は?
1戸あたり4〜6ヵ所の開き戸がある標準的なマンションの場合、
部品代だけなら1戸2,000〜6,000円程度。施工費を含めても1戸5,000〜15,000円
程度で収まります。
床暖房のある部屋での注意点は?
ビスが床暖房パネルを貫通すると温水パイプやヒーター線を損傷する危険があります。
床暖房の図面で配管位置を確認し、パネルのない場所に設置してください。