接地抵抗計(アーステスター)とは?
接地極の接地抵抗値を正確に測定する専用計測器
【超解説】とても簡単に言うと何か?
接地(アース)の抵抗値を測る専用の計測器です。
接地工事の後に「ちゃんとアースが取れているか」を数値で確認するために使います。
3本の補助電極を地面に打ち込んで測定します。
1. 基本概要
接地抵抗計は、地面に打ち込んだアース極(接地極)と大地の間の電気抵抗(接地抵抗)を
測定する機器です。
漏電が発生した際、電気が人体ではなく安全に大地へ逃げるようにするためには、この
「接地抵抗値」が法令(内線規程など)で定められた基準値以下になっている必要があります。
2. 構造や原理
一般的なアーステスターは、測定対象のアース極(E極)のほかに、2本の補助接地電極
(P極:電圧用、C極:電流用)を地面に打ち込んで測定します。
- E(Earth)極:測定したい接地極に接続します。
- P(Potential)極:E極から約10m離れた地面に打ち込みます。
- C(Current)極:P極からさらに約10m(E極から約20m)離れた地面に打ち込みます。
C極からE極に向かって交流電流を流し、その間に発生するP極の電圧を測ることで、大地間の
抵抗値を算出します。
3. 素材・形状・規格
ビルの上層階やコンクリート敷きの場所など、補助電極(P極・C極)を地面に打ち込めない
現場では「簡易測定法」が用いられます。
これは、すでに接地抵抗が十分に低いことがわかっている別の接地極(建物の鉄骨や、
コンセントのアース端子など)を利用して測定する方法です。
例えば、一般的な100V/200V機器(D種接地)では接地抵抗値は100Ω以下(漏電遮断器がある場合は500Ω以下)であることが求められます。これをクリアするためにアーステスターでの確認が不可欠です。
4. 主に使用されている場所
- 電気工事の竣工検査(接地抵抗値の確認)
- 変電設備・受変電設備の定期点検
- 避雷設備の接地抵抗測定
- 工場・プラントの接地設備の保守点検
- 一般住宅の漏電対策確認
5. メリット・デメリット
メリット
- デジタル表示で読み取りやすく、測定精度が高い
- 接地工事の品質を数値で証明でき、法令遵守に役立つ
- 携帯型で現場での使用が容易
デメリット
- 補助電極を打ち込むスペースが必要(補助極法の場合)
- コンクリートやアスファルトの上では測定が困難
- 天候(雨天・乾燥)により測定値が変動する
6. コスト・価格の目安
おおよその相場
- デジタル接地抵抗計(標準型):約30,000〜80,000円
- 多機能型(接地抵抗+絶縁抵抗):約80,000〜150,000円
- クランプ式接地抵抗計:約100,000〜200,000円
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
3電極法では補助電極(P極・C極)を正しい間隔で打ち込まないと測定値が不正確になります。必ず取扱説明書の手順に従ってください。
地表面の水分で接地抵抗値が通常より低く出るため、正確な値が得られません。晴天が2〜3日続いた後に測定するのが理想的です。
8. 関連機器・材料の紹介
9. 多角的なQ&A(20連発)
アースって何のためにあるの?
漏電した時に電気を大地に逃がして感電を防ぐための安全装置です。
エアコン・電子レンジ・洗濯機など水回りの家電には必ずアース線を接続してください。
家のアースがちゃんと効いているか確認できる?
アーステスターは専門機器のため一般家庭での使用は現実的ではありません。
心配な場合は電気工事店に接地抵抗の測定を依頼してください(数千円程度)。
アースが無いコンセントは危険?
法的に接地極付コンセントが義務の場所(台所・洗面所等)で無い場合は違反状態です。
漏電時に感電するリスクが高まるため、電気工事店に増設を依頼してください。
接地抵抗の数値が小さいほど良いのですか?
はい。
数値が小さい(=抵抗が低い)ほど、漏電時に電気がスムーズに大地に流れて安全です。
一般住宅のD種接地では100Ω以下が基準です。
雷対策にもアースは関係ある?
はい。避雷器(SPD)の性能はアースの質に大きく依存します。
接地抵抗が高いと避雷器が正常に機能せず、雷サージで家電が破損するリスクが高まります。
接地抵抗測定の基本手順は?
被測定接地極から5〜10m離して補助極(P極・C極)を一直線に打ち込み、三極法で
測定します。補助極は十分に湿った地面に打つのがポイントです。
補助極が打てない場所(アスファルト等)では?
簡易測定法として、既存の水道管や他の接地極を利用した二極法で概算値を確認できます。
ただし正式な値としては三極法で測定し直す必要があります。
測定値が基準をオーバーした時の対処法は?
接地極の追加打ち込み、接地極の深打ち、接地抵抗低減剤の充填で抵抗値を下げます。
それでも不足なら並列接地(複数の接地極を並列接続)を行います。
雨天時と晴天時で測定値が変わるのはなぜ?
地盤の含水率で土壌の導電率が変化するためです。雨天時は抵抗値が下がります。
竣工検査では乾燥時の最悪値で基準を満たすことが求められます。
クランプ式アーステスターの利点と限界は?
接地線を外さずにクランプするだけで測定でき、停電不要が利点です。
ただし多重接地系統でしか使えず、単独接地極の測定には三極法が必要です。
接地工事の種別と基準値は?
A種(10Ω以下):高圧機器の外箱、B種(変圧器容量で算出):変圧器の中性点、C種
(10Ω以下):300V超の低圧機器、D種(100Ω以下):300V以下の低圧機器です。
竣工検査で提出する書類は?
接地抵抗測定記録(測定日・天候・測定値・使用機器の型番と校正日)を試験成績書に
含めます。写真は接地極の埋設状況と測定器の表示を撮影します。
接地極の埋設深さの基準は?
地表面から75cm以上の深さに埋設するのが原則です。
凍結深度が深い寒冷地ではさらに深く打つ必要があります。
アーステスターの校正周期は?
年1回の校正が推奨されます。
竣工検査に使用する場合は、有効な校正証明書を必ず準備してください。
接地線の太さの選定基準は?
A種・B種は14mm²以上、C種は8mm²以上(一部条件で5.5mm²可)、D種は1.6mm以上の
銅線が最低基準です。短絡電流に対する溶断計算も必要です。
接地抵抗の定期測定頻度は?
電気事業法に基づく自家用電気工作物の年次点検で、年1回の測定が義務です。
測定結果は5年間保管する必要があります。
接地抵抗が経年で悪化する原因は?
接地極(銅棒等)の腐食、接続部の緩み・錆び、土壌の乾燥化、周辺の掘削工事による
土壌環境の変化などが原因です。
測定値が前年より大幅に悪化した場合は?
接地極の腐食断線や接続部の緩みが疑われます。
目視で確認できない場合は、新たな接地極を追加打ちして接地抵抗を確保してください。
雷害後に接地抵抗を測るべきですか?
はい。落雷によるサージ電流で接地極の接続部が溶断している可能性があります。
雷害後は速やかに接地抵抗を測定し、異常があれば補修してください。
複数の接地極を統合接地にするメリットは?
等電位化により、異なる接地極間の電位差による感電リスクを低減できます。
近年の建物設計では統合接地が主流になっています。