ガス給湯器(エコジョーズ)とは?
瞬間でお湯を作る「ガスの力」と省エネの進化
【超解説】とても簡単に言うと何か?
蛇口をひねった瞬間にガスの炎で水を温めてお湯にする機械です。タンクに貯めないので
お湯切れの心配がありません。
1. 基本概要
そもそも何か
ガス給湯器は、都市ガスまたはLPガスを燃焼させて水を瞬間的に加熱し、
必要な時に必要な量だけお湯を供給する機器です。「エコジョーズ」は従来型の排気熱を
二次熱交換器で回収して水の予熱に使うことで、熱効率を従来の約80%から
約95%まで高めた高効率モデルの総称です。リンナイ、ノーリツ、パロマが3大メーカーです。
なぜ必要なのか
日本の住宅の約60%はガス給湯器を使用しており、最も普及した給湯方式です。
エコキュートと違いタンクが不要で省スペース、かつ湯切れの心配がないため、
マンションや狭小住宅で重宝されています。エコジョーズへの切り替えにより
ガス代を約15%削減でき、CO2排出量も約13%削減できます。
2. 構造や原理
内部構造
内部はバーナー(ガス燃焼部)、一次熱交換器(メイン加熱部)、二次熱交換器(排熱回収部・
エコジョーズのみ)で構成されます。ファンで空気を送り込み、ガスと混合して
バーナーで燃焼。発生した熱で水を加熱します。エコジョーズでは従来捨てていた排気ガスの熱も
二次熱交換器で回収します。
作動原理
蛇口を開けると水流センサーが感知し、自動で点火・燃焼が開始されます。
設定温度に合わせてガスの火力と水量をマイコンが自動制御します。
エコジョーズは二次熱交換器で排気温度を約200℃から約50℃に
下げることで潜熱(水蒸気の凝縮熱)を回収し、この分だけガスを節約できます。
結果として酸性のドレン水(凝縮水)が発生するため、排水処理が必要です。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
屋外壁掛型が最も一般的で、外装はガルバリウム鋼板製のケースです。
サイズは幅約470mm×高さ600mm×奥行240mm程度が標準的です。
マンションではPS(パイプシャフト)設置型やアルコーブ設置型もあります。
種類や関連規格
給湯専用:お湯を出すだけのシンプルなタイプ。最も安価です。
ふろ給湯器(オート):
自動でお湯はりと追いだきが可能。
ふろ給湯器(フルオート):自動たし湯・配管洗浄機能付きの
最上位モデルです。
暖房対応型:床暖房や浴室換気暖房乾燥機の温水配管にも
対応する多機能タイプです。号数は「16号」「20号」「24号」が一般的で、
数字が大きいほど大量のお湯を同時に使えます。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
戸建住宅、マンション、アパートなど住宅全般が主な設置先です。
店舗(飲食店・美容院)やクリニック、小規模オフィスにも使用されます。
大規模ビルでは中央給湯方式が一般的ですが、各戸に個別給湯器を設置するマンションでは
ガス給湯器が圧倒的に多いです。
具体的な設置位置
戸建ての場合は外壁に壁掛けで設置。マンションではバルコニー横のPS内、
またはアルコーブ(玄関横の凹み)に設置されます。リモコンは台所と浴室の2ヵ所に
設置するのが標準的です。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
① 湯切れなし:瞬間式なのでお湯をいくら使っても切れません。
② 省スペース:タンク不要で
壁掛け設置が可能です。
③ 水圧が強い:水道直圧なのでシャワーの勢いが強いです。
④ 初期費用が安い:エコキュートの約半額で設置できます。
デメリット(短所・弱点)
① ランニングコスト:電気のエコキュートに比べてガス代が
高くつきます(深夜電力利用と比較時)。
② CO2排出量:燃焼するためCO2を直接排出します。
③ 寿命:エコキュートよりやや短い10年程度が一般的です。
6. コスト・価格の目安
導入や更新にかかる費用
号数とタイプによって異なります。交換工事であれば半日程度で完了する手軽さが魅力です。
おおよその相場(機器+工事の場合)
- 給湯専用(16号・エコジョーズ):
本体5〜10万円+工事費3〜5万円 - ふろ給湯器(20号・オート):
本体10〜18万円+工事費3〜5万円 - ふろ給湯器(24号・フルオート):
本体15〜25万円+工事費3〜5万円 - 暖房対応型(24号・フルオート):
本体20〜35万円+工事費5〜8万円
合計目安: 8万〜43万円程度
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
メーカーの設計標準使用期間は約10年です。実際には12〜15年使用できるケースもありますが、
10年を超えると安全装置や電子基板の劣化リスクが高まります。
リモコンにエラーコードが頻繁に出るようになったら交換のサインです。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
給湯器の周囲に洗濯物を干したり、
物を立てかけたりすると、
吸気不足による不完全燃焼が起こり、
一酸化炭素(CO)中毒の危険があります。
給湯器の周囲は必ず
メーカー指定の離隔距離を確保してください。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生し、最悪の場合CO中毒による死亡事故に至ります。
過去に何度も重大な事故が発生しており、メーカーのリコールや無償点検の
対象になることもあります。少しでも異常を感じたら使用を中止し、
ガス会社に点検を依頼してください。
8. 関連機器・材料の紹介
ガス給湯器と比較される給湯設備です。
- エコキュート:ヒートポンプで空気の熱を利用して
お湯を沸かす電気式の給湯器です。
▶ 詳細記事はこちら - 給湯器(総合解説):電気・ガス・石油など各種給湯方式の
総合的な解説記事です。
▶ 詳細記事はこちら - 浴室換気暖房乾燥機:暖房対応型ガス給湯器と組み合わせる
浴室暖房設備です。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
エコジョーズと普通の給湯器の違いは?
従来型は排気熱を捨てていましたが、エコジョーズはその熱を回収して水の予熱に使います。
熱効率が約80%→約95%に向上し、ガス代が約15%安くなります。
号数はどう選べばいいですか?
一人暮らしなら16号、2〜3人家族なら20号、4人以上の家族なら24号が目安です。
号数は「1分間に25℃上昇させられる水量(リットル)」を表しています。
給湯器から変な音がするのですが大丈夫?
点火時の「ボッ」という音は正常です。「ピー」「ガタガタ」などの異音は
ファンモーターや燃焼系統の不具合の可能性があるため、
ガス会社に点検を依頼してください。
お湯の温度が安定しないのは故障?
古い給湯器ではシャワー使用中に「冷水サンドイッチ現象」が起こることが
あります。最新機種では解消されています。10年以上使用の場合は
買い替えも検討してください。
エコジョーズはドレン排水が必要って本当?
はい、排熱回収時に酸性の凝縮水(ドレン水)が発生するため、排水管への接続が必要です。
中和器を内蔵しており、排水は中性に処理されてから排出されます。
従来型からエコジョーズへの交換で追加工事はありますか?
ドレン排水の配管工事が追加で必要です。近くに排水管があれば簡単ですが、
ない場合はドレン配管の引き回しが必要になります。
都市ガスとLPガスで機器は違う?
はい、ガス種別に対応した機器を選ぶ必要があります。都市ガス用(12A・13A)とLP用では
ノズル径が異なるため、流用はできません。必ずガス種を確認して発注してください。
PS設置型の交換で注意すべきことは?
マンションのPS(パイプシャフト)内はスペースが限られるため、
既存機と同じ排気方式(後方排気・上方排気等)の機種を選んでください。
排気方式が変わると設置できないケースがあります。
給水・給湯管の接続で注意することは?
給水管にはストレーナー(フィルター)を必ず取り付けてください。
配管内のゴミが給湯器に入ると熱交換器の詰まりや故障の原因に
なります。接続後は必ず漏れ確認を行ってください。
施工後の試運転で確認すべきことは?
①ガス漏れ検知、②給湯温度の確認、③追いだき機能の動作確認、
④リモコンの表示・操作確認、⑤排気が正常に出ているか、
⑥ドレン排水の流れを確認します。
マンションでの号数選定の基準は?
ファミリータイプ(3LDK以上)は24号、2LDK以下は20号が標準です。
1Kの単身用は16号で十分です。ただし最終的にはガス管の供給能力と
メーターの容量も確認が必要です。
エコジョーズの採用で補助金はある?
自治体によっては省エネ住宅設備の導入補助金制度があります。ただし補助金の有無や金額は
年度ごとに変わるため、施工時期に合わせて最新情報を確認してください。
施工検査でのチェックポイントは?
①ガス漏れ試験の合格、②離隔距離の確保(可燃物との距離)、③排気筒の接続と固定、
④ドレン排水の接続、⑤リモコンの正常動作の5項目を確認します。
一括交換を計画する際のポイントは?
マンションの大規模修繕では希望者による一括交換を行うと
スケールメリットで単価を下げられます。ガス会社と連携して住戸ごとのスケジュール調整を
行ってください。
暖房対応型の配管計画で注意すべきことは?
暖房回路(床暖房・浴室暖房)の温水配管は給湯配管とは別系統です。
暖房対応型を選ぶ場合は新築時の設計段階で温水配管の
ルートを計画しておく必要があります。
エラーコードが出た場合の対処は?
リモコンに表示されるエラーコードはメーカーの取扱説明書で確認できます。
「111」は点火不良、「632」は追いだき回路の異常などが代表的です。
リセットで復旧しない場合はメーカーサービスに依頼してください。
中和器の交換は必要ですか?
エコジョーズの中和器(炭酸カルシウム)は約10年で消耗します。
中和器が空になるとエラーで運転停止するため、メーカーの定期点検で確認するか、
給湯器本体の交換と合わせて対応してください。
賃貸物件で故障した場合の費用負担は?
経年劣化による故障はオーナー負担が原則です。ただし入居者の不適切な
使用(排気口をふさぐ等)が原因の場合は入居者負担となることもあります。
交換費用は管理費に含めて計画的に積み立てるのが理想的です。
凍結防止はどうすればいい?
給湯器本体には凍結防止ヒーターが内蔵されていますが、配管部分は別途保温材の巻き付けが
必要です。寒冷地では水抜き栓の設置も検討してください。電源プラグは冬場も絶対に
抜かないでください。
定期点検の推奨頻度は?
メーカーは設置後10年目の「あんしん点検」を推奨しています。有料点検ですが、安全装置や
燃焼状態の確認を行うため10年以上使用する場合は必ず受けてください。