板金工具とは?
金属板を自在に操る「屋根・外壁職人の手元道具」
【超解説】とても簡単に言うと何か?
金属の薄い板を曲げたり切ったり掴んだりするための専用工具の総称です。
屋根や外壁の板金工事でガルバリウム鋼板などを加工するときに使います。
1. 基本概要
そもそも何か
板金工具は、金属板(鋼板・銅板・アルミ板)を切断・折り曲げ・成形するための
手工具および機械の総称です。建築板金では屋根・外壁・雨樋・水切りなどの加工に使います。
なぜ必要なのか
屋根や外壁の板金は現場の寸法に合わせて加工する必要があります。正確な折り曲げと切断が
雨仕舞の品質を左右します。
2. 構造や原理
掴み箸(つかみばし)
板金のヘリを掴んで折り曲げるペンチ状の工具。平掴み・丸掴み・角掴みなど
形状に応じた種類があります。板金職人の基本工具です。
折り曲げ機(ベンダー)
金属板を直線状に正確に折り曲げる機械。手動式(ハンドベンダー)と電動式があります。
長い直線の折り曲げに使用。
金切りバサミ
金属板を切断するハサミ。直刃・右曲がり・左曲がりの3種類を使い分けます。
薄板(0.3〜0.8mm程度)の切断に適しています。
板金ハンマー・当て金
板金の成形・叩き出しに使うハンマーと当て金(あてがね)。曲面や複雑な形状を
手作業で成形します。
3. 素材・形状・規格
掴み箸:鍛造鋼製。長さ200〜350mm。
金切りバサミ:特殊鋼刃。全長250〜350mm。
ハンドベンダー:対応板厚0.3〜1.2mm、対応幅300〜600mm。
板金ハンマー:鍛造鋼製。
重量200〜500g。
4. 主に使用されている場所
屋根葺き工事(板金屋根)、外壁板金工事、雨樋の加工・取付、水切り・笠木の製作、
ダクトの現場加工、板金看板の製作。
5. メリット・デメリット
メリット
① 現場対応:現場の寸法に合わせて即座に加工可能。
② 精密性:手工具による繊細な成形が可能。
③ 汎用性:多様な金属板に対応できる。
デメリット
① 技術要求:熟練が必要で習得に時間がかかる。
② 体力:手作業のため
長時間作業は疲労が大きい。
③ ケガのリスク:鋭利な金属端で切り傷のリスク。
6. コスト・価格の目安
おおよその相場
- 掴み箸(1本):
2,000円〜8,000円程度 - 金切りバサミ:
2,000円〜10,000円程度 - ハンドベンダー(手動):
30,000円〜100,000円程度 - 板金ハンマー:
3,000円〜15,000円程度
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期
鍛造品の手工具は手入れ次第で数十年使用可能。刃物類は定期的に研磨。
機械類は消耗部品を交換。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
ステンレスは硬いため
普通の金切りバサミでは
刃が欠けてしまいます。
ステンレス用の専用バサミか
電動工具を使用してください。
また、手袋は必ず着用し
切り粉や端材でのケガを防止。
8. 関連機器・材料の紹介
- 雨仕舞・防水:板金加工が必要な防水工事。
▶ 詳細記事はこちら - 屋根材:板金で加工する屋根材。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
DIYで板金工具は使える?
金切りバサミや掴み箸はDIYでも活用できます。小さな水切りや雨樋の補修に便利です。
初心者向けの工具は?
まず金切りバサミ(直刃)と掴み箸(平掴み)の2点があれば基本的な加工が可能です。
ガルバリウム鋼板は切れる?
0.35mm程度のガルバリウム板なら金切りバサミで切断可能。バリが出るので手袋必須。
銅板の加工は?
銅板は柔らかいため金切りバサミで簡単に切断可能。掴み箸で折り曲げもしやすい。
電動と手動どちらがいい?
少量の加工なら手動で十分。長い直線カットや大量加工は電動ニブラーが便利です。
掴み箸の種類は?
平掴み・丸掴み・角掴み・唐草掴み・ハゼ掴みなど用途に応じて10種類以上。
基本セットは5〜6本から。
折り曲げの精度は?
ハンドベンダーで±0.5mm程度。手作業の掴み箸では熟練者で±1mm程度の精度。
刃の手入れ方法は?
金切りバサミは刃を合わせる調整が重要。切れ味が落ちたら砥石で研磨してください。
現場での加工順は?
①寸法取り→②罫書き→③切断→④折り曲げ→⑤はぜ加工→⑥取付。
ハゼ(はぜ)加工とは?
板金の端を折り返してかみ合わせる接合方法。掴み箸とハンマーで締め付けて防水接合。
板金職人の技能は?
建築板金技能士(国家資格)の1級・2級があります。技能レベルの指標になります。
品質検査のポイントは?
①折り曲げの角度、②端部の仕上がり、③はぜの締まり具合、④ビスの固定状態を確認。
安全管理は?
切り粉の飛散防止、鋭利な端材の管理、高所での板金作業時の墜落防止措置を徹底。
工場加工との使い分けは?
大量の定型品は工場加工、現場合わせが必要な箇所は現場加工が基本です。
材料のロス率は?
板金工事のロス率は10〜15%程度が一般的。展開図の効率化でロスを削減できます。
補修に必要な最低限の工具は?
金切りバサミ、掴み箸、板金ハンマーの3点があれば簡単な応急補修が可能です。
既存板金の切断は?
既存の屋根板金を外す際ははぜ起こし工具で接合部を開いてから撤去してください。
工具の保管方法は?
使用後は油を薄く塗り錆を防止してください。刃物は安全カバー付きで保管。
古い板金の撤去は?
ガルバリウムやトタンの撤去は金切りバサミとバールを使用。アスベスト含有の古い屋根材は
専門業者に依頼してください。
廃棄方法は?
金属工具は鉄くずとしてリサイクルに出せます。刃物は安全に梱包して廃棄してください。