CO2センサーとは?
見えない空気の「汚れ」を数値化する換気の番人

【超解説】とても簡単に言うと何か?

部屋の中の二酸化炭素(CO2)の濃度を測る機械です。CO2が増える=人が吐いた息で
空気が汚れているサインなので、「いつ換気すべきか」を教えてくれます。

1. 基本概要

そもそも何か

CO2センサーは、室内空気中の二酸化炭素濃度をppm単位でリアルタイムに測定する装置です。
ビル管理法(建築物衛生法)では室内CO2濃度を1,000ppm以下に保つことが義務付けられており、
その管理に不可欠なセンサーです。コロナ禍以降、換気の重要性が
再認識され、需要が急増しました。

なぜ必要なのか

CO2濃度が上昇すると眠気・集中力の低下・頭痛などの症状が現れます。
1,000ppmを超えると「換気不良」、5,000ppmを超えると労働安全衛生上の問題になります。
CO2センサーにより客観的な数値で換気状態を把握し、適切なタイミングで換気量を
増やすことができます。

2. 構造や原理

NDIR方式(非分散型赤外線方式)

CO2分子が特定波長の赤外線を吸収する性質を利用して濃度を測定する方式です。
精度が高く長寿命で、ビル管理用として最も広く使われています。

光音響方式

赤外線照射によるCO2分子の振動で発生する音波を検出する方式。NDIR方式より小型化しやすく、
IoTデバイスに搭載されることが増えています。

化学式センサー

安価な簡易型に使われますが、精度と耐久性に劣るためビル管理用には不向きです。

3. 素材・形状・規格

壁掛け型(室内設置)が主流で、ダクト挿入型(ダクト内設置)もあります。
出力は4-20mAアナログ信号、0-10V、RS-485(Modbus)、BACnetなどのプロトコルに対応。
ビル管理法の測定にはJIS B 7982に適合した校正済みの測定器が必要です。

4. 主に使用されている場所

オフィスビル・学校・病院・商業施設・映画館・会議室など多数の人が集まる施設。
ビル管理法の対象建築物では測定が義務付けられています。最近は飲食店やジムなど
コロナ対策としての導入も増加。

5. メリット・デメリット

メリット

① 客観的な換気管理:数値で換気状態を可視化できます。
② 省エネ:CO2濃度に応じた
換気量制御(DCV)で空調のエネルギーを30〜50%削減可能。
③ 健康管理:空気質の
悪化を早期発見できます。

デメリット

① 校正が必要:NDIR方式でも年1回程度の校正を推奨。
② 設置場所の影響:窓際や吹出口近くでは
正確な値が出ません。
③ コスト:精度の高いセンサーは数万円〜十数万円。

6. コスト・価格の目安

おおよその相場

  • 壁掛け型(表示付き):
    3万円〜10万円程度
  • ダクト挿入型:
    5万円〜15万円程度
  • 簡易型(卓上型):
    5,000円〜2万円程度
  • ビル管理法対応測定器:
    10万円〜30万円程度

7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法

更新周期

NDIR方式センサーの寿命は10〜15年程度。年1回の校正を推奨します。
化学式は1〜3年で交換が必要です。

絶対にやってはいけない悪い使用方法

【NG事例】エアコンの吹出口直下に設置

エアコンの気流がセンサーに直接当たると
常に新鮮な空気が供給されるため
CO2濃度が実際より低く表示され、
室内の換気不足を見逃します。
センサーは呼吸域(床上0.75〜1.5m)に
設置してください。

8. 関連機器・材料の紹介

9. 多角的なQ&A(20連発)

一般人(オフィスワーカー等)目線

1,000ppmを超えると危険?

直ちに健康被害が出るわけではありませんが、眠気や集中力の低下を感じやすくなります。
2,500ppmを超えると頭痛や倦怠感を訴える人が増えます。換気の目安として1,000ppm以下を
維持してください。

自宅にも必要?

必須ではありませんが、高気密住宅では換気不足になりやすく
CO2モニターがあると便利です。卓上型なら数千円で購入できます。

安いCO2センサーは信頼できる?

5,000円以下の安価な製品は化学式センサーを使っていることが多く
精度にバラつきがあります。NDIR方式と明記された製品を選ぶことをおすすめします。

外気のCO2濃度はどのくらい?

屋外の平均CO2濃度は約420ppm(2024年時点)です。室内がこの値に近いほど
換気が良好ということになります。

CO2センサーの数値を下げるには?

窓を開ける、換気扇を回す、全熱交換器の風量を上げるなど換気量を増やしてください。
在室人数が多い場合は人数制限も有効です。

職人(現場施工者等)目線

壁掛け型の設置高さは?

呼吸域である床上0.75m〜1.5mが推奨設置高さです。天井付近は暖かい空気が溜まり
CO2も軽いため実際の居住域と異なる値を示します。

ダクト挿入型の設置位置は?

還気(RA)ダクトの直管部分で、ダクトの曲がりや分岐からダクト径の5倍以上離れた場所に
設置してください。気流が安定した場所でないと正確に測定できません。

配線の注意は?

アナログ信号(4-20mA)はノイズの影響を受けやすいためシールドケーブルを使用し、
動力線との並行配線を避けてください。

校正は現場でできる?

多くの製品は自動校正機能を搭載しています。手動校正が必要な場合は
校正用ガス(0ppmの窒素ガスと1,000ppmの基準ガス)を使います。

BACnet対応の設定は?

BACnet/IPまたはBACnet/MSTPでBASに接続します。アドレス設定とオブジェクトIDの
登録をBAS側と事前に調整してください。

施工管理者(現場監督)目線

設置台数の目安は?

床面積500㎡ごとに1台、または空調ゾーンごとに1台が目安です。会議室など
人の密集する場所には個別にセンサーを設けてください。

DCV(デマンド制御換気)とは?

CO2センサーの値に応じて換気量を自動制御する仕組みです。在室人数が少ない時は換気量を
下げて空調エネルギーを節約します。ZEB(ネットゼロエネルギービル)の
必須技術のひとつです。

ビル管法の測定義務は?

特定建築物(3,000㎡以上の事務所等)は2ヶ月に1回のCO2濃度測定が義務です。
測定器はJIS B 7982適合品を使い、記録を5年間保存してください。

コロナ対策での設置基準は?

厚生労働省は換気の目安としてCO2濃度1,000ppm以下の維持を推奨しています。
飲食店等ではCO2モニターの設置が推奨されました。

試運転時の確認事項は?

①センサーの出力がBASに正しく伝送されているか、②DCV制御のしきい値設定、
③アラーム設定値(1,000ppm等)を確認してください。

設備管理者(保守点検者)目線

校正の頻度は?

年1回の校正を推奨します。自動校正機能がある製品でも年1回は校正ガスによる確認を
行ってください。ビル管法の測定器は法定校正が必要です。

センサーの異常をどう見分ける?

①屋外濃度(約420ppm)より常に低い値を示す、②値が固定されて変化しない、
③急激な値の変動がある場合はセンサーの故障を疑ってください。

清掃は必要?

センサーの吸気口にホコリが詰まると精度が低下します。半年に1回程度、吸気口の
清掃を行ってください。

データの活用方法は?

CO2濃度の推移をグラフ化すると換気パターンの改善点が見えます。ピーク時間帯の特定や
換気設備の増強判断に活用できます。

IoT対応の製品が増えている?

はい、Wi-FiやLoRaWAN対応でクラウドにデータを送信し、スマホやPCで遠隔監視できる
製品が増えています。複数拠点の一括管理にも有効です。