ガス配管(白ガス管・フレキ管・PE管)とは?
命を脅かすガスを安全に運ぶ、進化し続ける堅牢なパイプ
【超解説】とても簡単に言うと何か?
ガス配管は、道路のガス本管から建物のガスメーターを経由し、コンロや給湯器までガスを
運ぶためのパイプです。
かつてはサビやすい鉄管(白ガス管)が主流でしたが、現在は地震に強く施工しやすい
「ステンレスフレキ管」や、地中で絶対にサビない「PE管(ポリエチレン管)」へと劇的な進化を
遂げています。
1. 基本概要
そもそも何か
ガス事業者が製造した可燃性ガス(都市ガスやプロパンガス)を、漏らすことなく安全に燃焼機器
(ガスコンロや給湯器など)まで送り届けるための専用配管材です。
なぜ必要なのか
ガスは少しでも室内に漏れれば大爆発や一酸化炭素中毒を引き起こす極めて危険な物質です。
そのため、水や空気の配管以上に「絶対に漏れないこと」「地震の揺れで折れないこと」が強く
求められ、専用の配管システムが必要不可欠なのです。
2. 構造や原理
内部構造(特徴的な構造)
最新の「ガス用フレキシブル管(フレキ管)」は、内部が波打つ蛇腹状(コルゲート状)の
ステンレス管でできており、その外側を黄色やアイボリーの樹脂被覆で分厚くコーティングして
傷や腐食から守る二重構造になっています。
作動原理(配置の仕組み等)
地中に埋める「PE管(ポリエチレン管)」は、管と継手に電気を通す熱線が組み込まれており
(EF継手)、専用の機械で通電してプラスチック同士を溶かして一体化(融着)させることで、
絶対に抜けない接続部を作り出します。
3. 素材・形状・規格
外観形状と素材
【白ガス管】表面が亜鉛メッキされた銀色の硬い鉄管(現在は主に露出配管のみ使用)。
【フレキ管】手で簡単に曲げられる、黄色や白の樹脂カバーがかかったステンレス波状管。
【PE管】鮮やかな黄色をした硬質のプラスチック管。
種類や関連規格
都市ガス用やLPガス用があり、管の素材や継手の形状はJIS規格やガス事業法に基づく厳格な
技術基準で定められています。
特にフレキ管の接続には、各メーカーごとの専用継手と専用の資格が必要です。
4. 主に使用されている場所
使用される施設
道路の下に埋まっているガス本管から、各戸建て住宅やマンションの敷地内地中、
メーターボックス内、そして室内の壁の中や床下からキッチン、お風呂場まであらゆる場所に
張り巡らされています。
具体的な設置位置
地中埋設部分には腐食しない「PE管」や防食処理された管が、室内の床下や壁の隠蔽部には地震の
揺れを吸収する「フレキ管」が、屋外の露出部分には衝撃に強い「鋼管(白ガス管など)」が
適材適所で使い分けられます。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
【フレキ管のメリット】手で自由に曲げられるため壁の中を這わせるのが容易で、地震の揺れを
吸収して折れません。継手の数も減るためガス漏れリスクが激減します。
【PE管のメリット】プラスチックなので地中で絶対にサビず、酸性土壌にも強いです。
デメリット(短所・弱点)
【白ガス管のデメリット】重くて硬いため施工に手間がかかり、地中に埋めると水分でサビて穴が
空き、ガス漏れ事故の最大の原因となっていました。
(現在地中への白ガス管の埋設は禁止されています)
他の手法との違い
昔の「鉄管のネジ切り接続」は職人の技術に依存し、地震でネジ山部分から折れる弱点が
ありました。
現在の「フレキ管のプッシュインパクト接続」や「PE管の電気融着」は、人為的ミスが
入り込む余地が少なく、地震に圧倒的に強いという違いがあります。
採用時の注意点
フレキ管は非常に薄いステンレスでできているため、大工工事の際に誤って釘やビスを
打ち込んでしまうと簡単に貫通してガス漏れを起こします。
配管ルートのマーキングや保護プレートの設置が必須です。
6. コスト・価格の目安
導入や更新にかかる費用
ガス配管の材料費や配管工事費用の目安です。
おおよその相場
戸建て住宅の新築時の屋内配管(フレキ管)工事費用としては、およそ5万円〜15万円程度が
相場です。
ただし、道路から敷地内へガスを引き込む埋設工事(PE管)には別途10万円〜数十万円の工事費が
かかる場合があります。
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
地中に埋設された古い「白ガス管」は、設置からおおよそ「20年〜30年」が寿命とされており、
ガス会社から腐食に強いPE管等への交換が強く推奨されています。
室内のフレキ管は半永久的にサビませんが、パッキン等の経年劣化は考慮が必要です。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
フレキ管を何度も極端に曲げ伸ばしして金属疲労を起こさせたり、コンクリートやモルタルの中にフレキ管をサヤ管なしで直接埋め込んだりすることです。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
金属疲労やモルタル中のアルカリ成分による腐食でステンレス管にピンホール(極小の穴)が
開き、壁の中や床下でガスが充満します。
ちょっとした静電気や換気扇のスイッチの火花で、ガス爆発を引き起こす重大事故に繋がります。
8. 関連機器・材料の紹介
9. 多角的なQ&A(20連発)
ガス管って鉄でできているんですか?
昔は「白ガス管」という鉄管が主流でしたが、サビてガス漏れを起こす原因になるため、
現在は曲がるステンレス管やサビないプラスチック管に置き換わっています。
キッチンのガス管が黄色のカバーで覆われています。
それは「ガス用フレキシブル管(フレキ管)」です。
中身はステンレスの波型の管で、地震で揺れても折れにくく安全な現代の主流配管です。
庭を掘ったら黄色のプラスチックの管が出てきました。
それは地中に埋められたガス用の「ポリエチレン管(PE管)」です。
スコップなどで傷つけると大惨事になるため、絶対にそれ以上掘らないでください。
プロパンガスの配管は都市ガスと違いますか?
使われる管の素材(鉄や銅管、フレキ管)は似ていますが、ガス圧や継手の規格が
異なります。また、プロパンには銅管が使われることが多いのが特徴です。
古い家の鉄のガス管は、そのままで大丈夫ですか?
地中に埋まっている古い白ガス管(亜鉛メッキ鋼管)は、土の水分でサビて腐食が
進んでいる可能性が高いため、ガス会社からPE管への交換(有償)を強く推奨されます。
ガス用フレキ管を扱うには資格が必要ですか?
はい、都市ガスのフレキ管の施工や継手の接続には「ガス可とう管接続工事監督者」や
ガス会社の認定資格など、専用の資格が必須です。
フレキ管の継手を作る際の最大の注意点は?
専用カッターで谷の部分をまっすぐ切断し、保護被覆を正確な長さだけ剥がし、規定の
山数を継手にしっかり挿入してカチッとロックすることです。抜けはガス漏れに直結します。
地中配管でPE管(ポリエチレン管)を使うメリットは?
電気融着(EF継手)によって管と継手を分子レベルで完全に一体化させるため、絶対に
サビず、地震で地盤が動いても柔軟に追従して折れないという最強のメリットがあります。
配管の通気テスト(気密試験)はどのように行いますか?
配管内に空気を送り込んで規定の圧力(マノメーターなどで測定)をかけ、一定
時間放置しても圧力が下がらない(漏れがない)ことを厳密に確認します。
隠蔽部(壁の中など)にガス管を通す場合のルールは?
壁の中でガスが漏れて滞留しないよう、継手を作らない(一本のフレキ管で通す)
ことや、どうしても継手が必要な場合は点検口を設けるなどの厳しい保安基準があります。
基礎のコンクリートを貫通させる際のガス管の扱いは?
ガス管がコンクリートに直接触れると腐食するため、必ずスリーブ(さや管)を
入れて縁を切り、コンクリートと直接接触させないように施工します。
古い建物の解体時、ガス管の処理はどうしますか?
解体業者が重機で引っ掛ける前に、必ずガス会社に依頼して、敷地境界の地中など安全な
場所でガス管の切断・プラグ止め(ガス止め)を完了させておく必要があります。
リフォームでキッチンを移動させます。ガス管は延長できますか?
延長自体は可能ですが、古い白ガス管にネジを切って繋ぐのはリスクが高いため、既存の
ガス栓部分からフレキ管で新設箇所へ引っ張る工法が主流です。
ガス管の配管ルートを他設備の業者と調整する際の優先度は?
ガス配管は水勾配を気にする必要はありませんが、電気の配線(スパーク源)から一定の
離隔距離(15cm以上など)をとる必要があるため、ルート調整では重要な位置を占めます。
内装工事後にガス管を壁に打ってしまったら?
ビス打ちや釘打ちによるガスフレキ管の貫通事故は非常に多いです。
テストで漏れが発覚した場合は、壁を一部壊して補修キットで繋ぎ直すことになります。
アパートの共用廊下にある鉄のガス管がサビサビです。
放置すると腐食によってピンホール(小さな穴)が開き、ガス漏れを起こします。
ペンキを塗るだけでなく、ガス会社に漏れ検査と修繕を依頼してください。
地震対策としてガス配管でできることはありますか?
古い鉄管(白ガス管)を、地震の揺れを吸収するステンレスフレキ管や地中PE管に
更新することが、もっとも確実で効果的な地震・防災対策です。
ガス管の交換費用はガス会社が負担してくれますか?
ガスメーターまではガス会社の資産ですが、メーターから先の敷地内・建物内の
ガス配管は「お客様(オーナー)の資産」となるため、交換工事費はオーナー負担と
なります。
空き店舗に新しく飲食店を入れる際、ガス容量は足りますか?
厨房機器は大量のガスを消費するため、既存のガス管の太さ(口径)では足りないことが
多々あります。入居前にガス会社に容量計算と管の太さの確認を依頼してください。
敷地内でガス臭がします。埋設管から漏れているのでしょうか?
その可能性が高いです。火気を絶対に避け、ただちにガス会社へ緊急通報してください。
ガス会社が専用の検知器を使って漏洩箇所を特定します。