気密テープ・気密シートとは?
見えない隙間風を止める「家の気密を守る番人」
【超解説】とても簡単に言うと何か?
家の壁や天井の中で隙間をふさぐためのテープとシート(防湿フィルム)です。
空気が漏れるのを防いで冷暖房の効率を高め、壁の中の結露を防ぎます。
1. 基本概要
そもそも何か
気密テープは、建材の継ぎ目や配管貫通部の隙間を塞ぐ粘着テープです。
気密シート(防湿シート)は、壁の室内側に張るポリエチレンフィルムで、空気と湿気の
移動を遮断します。
なぜ必要なのか
断熱材があっても隙間があると暖かい空気が壁体内に入り込み結露の原因になります。
気密性が低いと冷暖房効率が大幅に低下し光熱費が増加。
2. 構造や原理
気密テープ
アクリル系粘着剤を塗布したポリエチレンまたはブチルゴム基材のテープ。
幅50〜100mmが一般的。防湿シートの重ね目、配管貫通部、サッシ周りに貼付。
気密シート(防湿シート)
厚さ0.1〜0.2mmのポリエチレンフィルム。壁の室内側(断熱材の暖かい側)に連続して張ることで
室内の湿気が壁体内に入るのを防止します。
気密パッキン
土台と基礎の間に挟む発泡ゴム製のパッキン材。床下からの空気漏れを防止。
気密パッキン工法として普及。
3. 素材・形状・規格
気密テープ:PE基材+アクリル粘着剤、またはブチルゴム基材。幅50/75/100mm×長さ20m。
気密シート:ポリエチレン厚さ0.1〜0.2mm。幅2,100mm×長さ50m巻が標準。
JIS A 6930(住宅用プラスチック系防湿フィルム)に適合。
透湿抵抗:0.144㎡·s·Pa/ng以上。
4. 主に使用されている場所
木造住宅の壁・天井・床の気密層、防湿シートの継ぎ目処理、サッシ枠と躯体の取り合い部、
コンセントボックス周り、配管・配線の貫通部、土台と基礎の取り合い部。
5. メリット・デメリット
メリット
① 省エネ:気密性向上で冷暖房効率が大幅に改善。
② 結露防止:壁体内結露の
リスクを大幅に低減。
③ 快適性:隙間風がなくなり室温ムラが解消。
デメリット
① 施工品質:丁寧な施工が求められ手間がかかる。
② 換気必須:高気密にすると
計画換気が不可欠。
③ 経年劣化:テープの粘着力が低下する可能性がある。
6. コスト・価格の目安
おおよその相場
- 気密テープ(50mm×20m):
500円〜1,500円/巻程度 - 気密シート(0.2mm 2100×50m):
5,000円〜12,000円/巻程度 - 気密パッキン(20mm×120mm×2m):
300円〜800円/本程度 - 住宅一棟の気密工事:
15万〜40万円程度
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期
壁体内に施工されるため通常は建物の寿命と同等。リフォーム時に状態を確認し
剥がれや破れがあれば補修。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
気密シート(防湿シート)は
必ず室内側(暖かい側)に張ります。
外壁側に張ると壁体内で結露した
水蒸気の逃げ場がなくなり、
構造材の腐朽やカビの原因に。
「室内側=防湿」「外壁側=透湿」が鉄則。
8. 関連機器・材料の紹介
- 断熱改修:気密工事と合わせて行う改修。
▶ 詳細記事はこちら - セルロースファイバー:気密層と組み合わせる断熱材。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
気密性が高いと息苦しい?
24時間換気設備があるため息苦しくなることはありません。むしろ計画的に新鮮な空気が
供給されて快適です。
C値って何?
相当隙間面積のことで、家全体の隙間を床面積で割った値(㎠/㎡)。
1.0以下が高気密住宅の目安。
光熱費はどれくらい変わる?
気密性能によりますが、C値が5.0から1.0に改善すると冷暖房費が20〜30%程度
削減される例があります。
既存住宅にも施工できる?
リフォーム時に壁を開ければ施工可能ですが、新築時に比べて施工は困難。
優先度の高い箇所を絞って対応。
どんなテープを買えばいい?
DIYでの気密テープはホームセンターでも入手可能。「気密」「防湿」と明記された
建築専用品を選んでください。
テープの貼り方のコツは?
下地をよく清掃してから貼付。ホコリや水分があると粘着力が低下します。
ヘラでしっかり圧着すること。
シートの重ね幅は?
防湿シートの重ね幅は100mm以上が標準。重ね部分は気密テープで全長にわたって止めます。
コンセントボックスの処理は?
気密コンセントボックスを使用するか、通常ボックスの周囲を気密テープで
完全に密閉してください。
冬場の施工は?
低温だとテープの粘着力が低下します。10℃以上の環境で施工するか
テープを温めてから使用。
気密測定は誰が行う?
気密測定技能者が専用の送風機で測定します。中間時(石膏ボード張り前)と
竣工時の2回が理想です。
気密の目標値は?
C値1.0㎠/㎡以下が推奨。高性能住宅では0.5以下を目標にする場合もあります。
測定で数値を確認します。
検査のポイントは?
①シートの破れ・穴あき、②テープの剥がれ、③貫通部の処理、④重ね代の確保を確認。
他工種との調整は?
電気・設備工事でシートを破られないよう貫通部の位置を事前に決めて
気密処理の手順を共有。
コスト管理は?
材料費は住宅一棟で数万円程度。施工手間(人件費)がコストの大部分を占めます。
保証体制は?
気密測定結果を記録し施主に報告してください。C値の保証を行うビルダーも増えています。
気密性の経年変化は?
木材の乾燥収縮やテープの劣化により若干の性能低下はあり得ます。
定期的な気密測定が理想。
改修時の注意は?
壁を開ける際に防湿シートを破らないよう注意。破った場合は必ず
気密テープで補修してください。
換気設備との関係は?
高気密住宅では24時間換気の正常動作が必須。フィルター清掃と風量点検を定期的に実施。
結露が発生した場合は?
気密層の破損や施工不良が疑われます。サーモグラフィーで漏気箇所を特定してください。
テープの補修品は?
同メーカーの同製品が理想。入手できない場合は同等性能の気密テープで代替してください。