SK室(掃除用流し室)とは?
モップと汚水を受け止める ─ 清掃員が毎日お世話になる建物の「洗い場」
【超解説】とても簡単に言うと何か?
ビルやマンションの各階にある
「掃除道具を洗うための小部屋」です。
SKとは「Slop Sink(スロップシンク)」
の略で、汚れたモップを洗ったり
汚水を捨てたりする
深い流し台が設置されています。
清掃作業に欠かせない裏方空間です。
1. 基本概要
そもそも何か
SK室は、清掃用具の洗浄・保管と汚水の排水を行うための専用室です。
「SK」はSlop Sink(汚物流し)の略で、深底の流し台(SKシンク)を中心に、給水・排水設備、清掃用具の収納棚、換気設備が配置されます。
なぜ必要なのか
モップや雑巾をトイレの手洗いで洗うのは衛生上問題があります。
また汚水をトイレに流すと便器の破損や排水管の詰まりの原因になります。
SK室があれば専用の深底流し台で安全に汚水を排水でき、清掃用具も整理して保管できます。
2. 構造や原理
SKシンク(汚物流し)
深さ300〜400mmの深底流し台で
バケツごと洗えるサイズです。
床から300〜400mmの高さに設置し
腰をかがめずにモップを洗えます。
排水口にはバスケット型の
ストレーナーがあり
ゴミの流出を防ぎます。
室内の設備構成
給水設備:水栓(混合水栓が望ましい)、ホース接続用水栓。
排水設備:SKシンクの排水、床排水(洗い場の水を排水)。
換気設備:臭気防止のため換気扇を設置。
収納設備:モップ、バケツ、洗剤、ほうき等の収納棚・フック。
床仕上げ:耐水性のある長尺シートまたはタイル。
防水処理:床面の防水(立上り100mm以上)。
3. 素材・形状・規格
SKシンク素材:陶器製、ステンレス製、人造大理石製。
シンク寸法:幅500〜600mm×奥行400〜500mm×深さ300〜400mm。
設置高さ:床上300〜400mm(バケツが入る高さ)。
室面積:2〜4m²(最小1.5m²程度)。
天井高:2,100mm以上。
床仕上げ:防水仕上げ(立上り100mm以上)。
換気:換気回数10〜15回/h。
4. 主に使用されている場所
オフィスビルの各階コア部分、
マンションの各階共用部、
商業施設のバックヤード、
病院の各フロア、
ホテルの各階サービスエリア、
学校の各階。
5. メリット・デメリット
メリット(長所)
衛生管理の向上:汚水処理を専用室で行うことで、トイレや洗面所を汚す心配がなくなります。
清掃効率の向上:各階にSK室があれば清掃員が上下階を移動する手間が省け、作業効率が向上します。
清掃用具の一元管理:用具を専用室に保管することで紛失・盗難を防ぎ、在庫管理も容易になります。
デメリット(短所・弱点)
専有面積の確保:各階2〜4m²の面積を必要とし、賃貸面積が減少します。
臭気の問題:換気が不十分だと汚水の臭気が廊下に漏れ出すことがあります。
排水管の詰まり:砂や繊維くずが排水管に蓄積し、定期的な清掃が必要です。
6. コスト・価格の目安
おおよその相場
- SKシンク(陶器製): 3万〜8万円程度
- SKシンク(ステンレス製): 5万〜15万円程度
- SK室内装工事(1室あたり): 30万〜80万円程度
- 給排水配管工事: 10万〜30万円程度
7. 更新周期と注意点・絶対にやってはいけない悪い使用方法
更新周期(推奨交換時期)
SKシンク本体は20〜30年。
水栓金具は10〜15年で交換。
排水トラップは5〜10年で点検・交換。
絶対にやってはいけない悪い使用方法
塗料やセメント、油脂類を
SKシンクに流すと
排水管内で固化して
完全に詰まります。
塗料は専用の廃液処理、
セメントは沈殿槽で処理し
SK室には絶対に流さないでください。
悪い使用方法をするとどうなるか(末路)
排水管内でセメントや塗料が固化すると、高圧洗浄でも除去できず配管の交換工事が必要になります。
工事中はフロア全体の排水が使用不可になり、数十万〜百万円の費用が発生します。
8. 関連機器・材料の紹介
- 衛生器具:
SKシンクを含む衛生設備全般。
▶ 詳細記事はこちら - MDF・EPS・PS:
SK室と同じ建物コア部の各室。
▶ 詳細記事はこちら
9. 多角的なQ&A(20連発)
SKって何の略?
Slop Sink(スロップシンク)の略です。
「Slop」は汚水・残飯汁という意味で、汚れた水を処理するための流し台です。
各階に必要?
オフィスビルでは各階に1ヶ所が標準です。
清掃員がバケツを持って階段を移動するのは非効率かつ危険なためです。
マンションにもある?
中〜大規模マンションでは各階または2〜3階に1ヶ所設置されることが多いです。
小規模マンションでは1階のみの場合もあります。
トイレで洗っちゃダメ?
便器にモップのゴミや砂が入ると詰まりの原因になります。
また衛生的にも問題があるため、必ずSKシンクを使用してください。
SK室が臭いのはなぜ?
排水トラップの封水切れ、換気不足、または排水管の汚れが原因です。
定期的な清掃と換気扇の常時運転で改善できます。
排水管の口径は?
SKシンクの排水は50A(φ50mm)以上を使用します。
砂やゴミが流れるため、一般の洗面器(32A)より太い排水管を使用してください。
床防水の範囲は?
SK室の床全面+壁面立上り100mm以上に防水処理を施します。
出入口には防水の立上り(水返し)を設けてください。
給水と給湯は両方必要?
温水があるとモップの汚れが落ちやすく衛生的です。
混合水栓の設置を推奨しますが、予算の制約がある場合は水のみでも可です。
換気扇の設置は?
臭気防止のため、換気回数10〜15回/hの換気扇を設置してください。
24時間運転が望ましいですが、最低でもタイマー制御で定期換気してください。
SKシンクの固定方法は?
壁掛け型はアンカーボルトで壁に固定し、据え置き型は床にモルタルで固定します。
荷重(バケツ+水で約15kg)に耐える強度を確保してください。
SK室の位置決めは?
エレベーターホール、トイレ付近のコア部に配置するのが標準です。
清掃員の動線を考慮し、各階の同じ位置に設けてください。
最小面積の目安は?
SKシンク+作業スペースで最低1.5m²、標準2〜4m²です。
清掃用具の収納棚を置く場合は3m²以上が望ましいです。
扉は引き戸?開き戸?
バケツや清掃カートの出入りを考慮し、開口幅700mm以上の引き戸が便利です。
外開き戸でも可能ですが、廊下への干渉に注意してください。
照明は?
防湿型のLED照明(200〜300lx)を設置してください。
スイッチは入口外側に設けるのが一般的です。
消防法の要件は?
SK室は通常の居室ではないため特別な消防法上の要件はありませんが、洗剤等の可燃物を保管する場合は少量危険物の管理に注意してください。
排水管の詰まり防止は?
排水口のストレーナーを毎日清掃し、月1回は排水管の高圧洗浄を実施してください。
砂や繊維くずの蓄積が詰まりの主な原因です。
臭気対策は?
排水トラップの封水を定期的に確認し、蒸発していたら補水してください。
換気扇の24時間運転と、週1回のSKシンク清掃で臭気を抑えられます。
清掃用具の管理は?
用具リストを掲示し、使用後は所定の場所に戻すルールを徹底してください。
モップは使用後に洗って乾燥させないとカビ・臭気の原因になります。
SK室の鍵管理は?
清掃員にマスターキーを貸与するか、テンキー錠で管理するのが一般的です。
部外者の使用を防ぐため、常時施錠を推奨します。
リフォームで追加設置は可能?
給排水管が近くにあれば可能ですが、防水工事と排水管の接続がポイントです。
既存のPS近くにスペースがあれば比較的容易に設置できます。